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したっぱ昆虫細胞研究者のメモ

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2009年 01月 18日

ザリガニが餌も振動もないのに歩き出すのはどうして?

ザリガニはついつい歩いてしまうようです。

Chikamoto K, Kagaya K, Takahata M.
Electromyographic characterization of walking behavior initiated spontaneously in crayfish.
Zoolog Sci. 2008 Aug;25(8):783-92.

ザリガニが歩き始めるとき、物理的・化学的刺激を受けて開始されるreflexivelyなものと、全く刺激が存在しないのに唐突に開始されるspontaneouslyなものがあります。
著者らは、ザリガニの一本の脚の4つの部分に電極を取り付け、それをモニターすることで歩き開始について調べました。

結果、リズミカルな歩きと、non-リズミカルな歩きが検出され、non-リズミカルな歩きはリズミカルな運動の前に起きていることが分かりました。
また、spontaneouslyな歩きの場合、non-リズミカルな歩きを行う時間が長いことも示されています。

足場をなくした場合など、その他の実験区を設定し、以下の結論に至りました。
spontaneousに開始された歩き行動は、脚機械感覚器官からの感覚フィードバックを必要としていて、またそれは、刺激を受けての歩き開始とは異なるの開始機構によって助けられている。




ザリガニを真似てロボットを作ったら、システム上どうしても、たまに突然歩き出してしまう、ということでしょうか?
ザリガニの動きは意味不明ですが、彼らにとってもまた唐突なものであるのは非常に面白いと思います。
この機構が彼らにとってどのような適応的意義があるのか、気になるところです。


やっぱり異分野は難しいです・・・
そしてタグが、ない

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by koretoki | 2009-01-18 15:37


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