2009年 01月 10日
昨年の4月に匂い受容体として7回膜貫通型タンパクについての発表がありましたが、ショウジョウバエでは匂いセンサーのニューロンのすべてが匂い受容体としてそれを発現しているわけではありません。 今回著者らは、イオンチャンネル型のグルタミン酸レセプターに関連した未知の匂い受容体を発見しました。 Richard Benton,Kirsten S.Vannice,Carolina Gomez-Diaz and Leslie B. Vosshall Variant Ionotropic Glutamate Receptors as Chemosensory Receptors in Drosophila Cell, Volume 136, Issue 1, 149-162, 9 January 2009 著者らはハエのアンテナで発現する遺伝子についてのバイオインフォマティックなスクリーニングから、61の遺伝子ファミリーに注目しました。 分子構造的にグルタミン酸レセプターに似ていたそうですが、よく見ると似てるけどグルタミン酸レセプターではなく、他のリガンドと引っ付くようです。 で、以下の7つの理由で、これを新しい匂いレセプターIonotropic Receptors(IRs)としたそうです。 1、IRsの15のmRNAは成虫のアンテナで特異発現。 2、匂い受容ニューロンの樹状突起でIRs抗体が光った。 3、IRを持つ匂い受容ニューロンはOr83b(7回型)を発現しない。 4、coeloconic小感覚子発達異常ミュータントはIRを発現しない。 5、ニューロンの4つのクラスターのIR発現が、4つのcoeloconic小感覚子の生理学特徴と相関する。 6、通常匂い受容を投射するニューロンは軸索に糸球体一つつくるが、Ir76a-GAL4でラベルした軸索はcoeloconicからの入力を処理するとされる一つの糸球体に収束する。 7、IRをmisexpressionさせると新しい匂い感受性が表れる。 ひとつのニューロンにひとつしか発現しない他の匂い受容体と違って、IRはひとつのニューロンにいくつも発現するそうです。 混乱しない仕組みはどうなっているのでしょうか? グルタミン酸レセプターと同じ仕組みなら誰がbindしても陽イオン流入して反応してしまうように思うのですが・・・ 人気ブログランキングに参加しています。 応援よろしくお願いします。 バイオインフォマティクスすげー
by koretoki
| 2009-01-10 03:55
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