2008年 12月 18日
Kreij K, Mandenius CF, Clemente JJ, Cunha AE, Monteiro SM, Carrondo MJ, Hesse F, de Los Molinas MM, Wagner R, Merten OW, Gény-Fiamma C, Leger W, Wiesinger-Mayr H, Müller D, Katinger H, Mårtensson P, Bachinger T, Mitrovics J. On-line detection of microbial contaminations in animal cell reactor cultures using an electronic nose device. Cytotechnology. 2005 Jun;48(1-3):41-58. high-value biological productsを得る目的で細胞を大量に培養する際、中の状態を知るために溶存酸素濃度やpHをモニターすることが一般的でした。 しかし、コンタミネーションに関して上記の2つのモニタリングでは早期発見が不可能でありました。 今回用いられたElectronicNose(EN)は、多数の揮発性成分センサーで、バイオリアクター内の気層から培養の状況を把握する機械です。 コンタミネーションを速やかに検出できることが期待されていて、また、in-invasiveな方法でモニター出来る利点もあります。 試用には、rhM-CSFを作るためのCHO、VP2proteinを作るためのSf9の他、HEK、MLVの4つの細胞系が用意されました。 Sf9についての実験では、通常の培養、E.coli混入区、カビ混入区、バキュロウィルス導入区が用意され、ENのモニターによる培養経過の比較が行われました。 結果、E.coliはもちろん、溶存酸素濃度やpHでは見つけられないカビの混入も見つけられました(コンタミ開始後115時間かかるけど)。 バキュロウィルス導入区では、増殖中はコントロールと差異がなく、目的ペプチドが発現するようになって差異が出現しました。 モニターが出来てもコンタミを取り除く事は出来ませんが、ずっと新鮮培地を流し続けるような連続的培養であれば被害の拡大を止められそうです。 でもやっぱり除けないんだったら… ちなみに、ENのセンサーは18種類あって、Acetic acid,Ammonium chloride,Lactate,Methionine,Acetone,Ethanolのそれぞれに3種類ずつあります。 余談ですが、大量培養の場合、メンテナンスなどの理由で金属容器が好まれます。 でもそんな光もないところに押し込められて、その上誰にも見てもらえないまま物を作り続けるなんてかわいそうだし愛が足りてないです。 そういう条件でずっと世代を重ねた細胞系は、そこに適応して可能性の少ないつまらない細胞系になっていく気がします。 もっとも、画一的細胞群の方が工学的に使いやすいのだけど。 人気ブログランキングに参加しています。 応援よろしくお願いします。
by koretoki
| 2008-12-18 17:24
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