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したっぱ昆虫細胞研究者のメモ

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2008年 11月 18日

アブラムシのJHtiterをLCMSで測る

アブラムシには翅があるやつとないやつがいます(有翅型、無翅型)
著者らは、2つの型で血中JH濃度の差がないことを示しました。

Schwartzberg EG, Kunert G, Westerlund SA, Hoffmann KH, Weisser WW
Juvenile hormone titres and winged offspring production do not correlate in the pea aphid, Acyrthosiphon pisum.
J Insect Physiol. 2008 Sep;54(9):1332-6. Epub 2008 Jun 26.
有翅型の個体とその親、無翅型の個体とその親についてJHtiterを調べました。

著者らは、アブラムシの足か触角を切り、体を圧迫して滴状に出てきた血液をキャピラリーで集めました。それを6ー12頭やって1μlになったら、それを100μlのmethanol/isooctane(1:1)に入れ、またスタンダードとしてmethopreneも入れます。
調整後濃縮して、島津のLCMS-2010Aで分析しました。

結果、JH3のみが検出され、その濃度は30-163pg/μlでした。
有翅型と無翅型の間に有意な差はありませんでした。


LCMSにいろんなものを入れてみたくなりました。
ちなみに、この方法で測れるのは12pg(検出限界)から40pg(定量限界)のものまでだそうです。

そういえば
サバクトビバッタの孤独相群生相スイッチには、卵巣ろ胞細胞、精液小胞、食道下神経節の神経分泌細胞に存在する6kD のペプチドが関連しているそうです。下記の論文では免疫染色で局在を確認したペプチドについて、MSをとることで擬陽性を除いています。
M.M.Rahman et al.
Localization of the phase-related 6-kDa peptide(PRP) in different tissues of the desert locust Schistocerca gregaria -Immunocytochemical and mass spectrometric approach
Journal of Insect Physiology 54 (2008) 543-554

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by koretoki | 2008-11-18 14:47


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