2013年 06月 25日
生検用の肝臓のサンプルはホルマリン固定してパラフィン包埋するそうなのですが、それからRNAを取って発現を見ようというお話があるそうです。 試薬も売ってますね→ホルマリン固定パラフィン包埋組織からのRNA抽出 http://www.roche-biochem.jp/biochemica/2006/10/newrna.html ホルマリンによる固定は塩基にモノメチロールを付加させることで変質させてしまうことが知られています。 著者らは、ホルマリン固定パラフィン包埋サンプルから得られる発現データについて検証するために、培養細胞を用いて実験を行いました。 J Clin Pathol. 2013 Jun 11. Development of a robust protocol for gene expression analysis using formalin-fixed, paraffin-embedded liver transplant biopsy specimens. Thompson E, Burt AD, Barker CE, Kirby JA, Brain JG. 実験には胆管上皮細胞(BECs)を用いました。培養にH2O2を添加することでストレスを与え、実験区と比較区のそれぞれについて、p21, TGFβ1, TGFβ2 の3つの遺伝子の発現量を測定しました。 次に、同様に培養した胆管上皮細胞をホルマリン固定後パラフィン包埋したのちにRNAを抽出して同様に発現量を調べました。 結果、p21 とTGFβ1 については、固定や包埋を行わなかった区と、固定後包埋した区で再現性が取れましたが、TGFβ2では再現性が取れませんでした。 固定後包埋したサンプルのmRNA発現を見たい時は、事前にin vitro の系でいいからそのmRNA配列が固定包埋に耐えるか調べた方がいいよ、と著者らは述べています。 どのくらいの期間持つんだろうね。 人気ブログランキングに参加しています。 応援よろしくお願いします。
by koretoki
| 2013-06-25 23:26
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