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したっぱ昆虫細胞研究者のメモ

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2009年 08月 26日

微重力が胚発生に及ぼす影響

mixiニュースで「宇宙 子ども生まれる確率低く」とあったので。
PLoS ONE Published 25 8 2009
Detrimental Effects of Microgravity on Mouse Preimplantation Development In Vitro
Sayaka Wakayama, Yumi Kawahara, Chong Li, Kazuo Yamagata, Louis Yuge, Teruhiko Wakayama


 著者らは卓上で1/1000G環境を構築できる「3Dクライノスタット」を用いて、マウス胚発生に微重力環境が及ぼす影響を解析しました。まず、100mlほどのフラスコに40mlの培地を入れ、微重力条件下でin vitro授精を行います。そのまま微重力条件下で培養し、6h経過(zygote),24h経過(2-cell),96h経過(blastocyst)を回収しました。それぞれを観察するほか、2-cellとblastocystに関してはマウス胎内に挿入し発生を観察しました。結果、微重力条件下で培養を行った胚では出生率が下がることが示されました。

 

 100mlのフラスコに40mlの液を入れて微重力にするとちゃぽんちゃぽんしてしまうのでは?vivoでは着床するはずの受精卵が、プラスティックに何度も擦り付けられたらダメになるんじゃないか、と思ったら、Discussionに「胚にぴったりサイズのマイクロチャンバーを使ったりすることで培地の多いことによる負の効果を取り除けたら、この結果が真に微重力の効果を示せるのに」と書いてありました。確かに100mlのフラスコ(たぶんFalconの青いキャップの12.5cm2のやつ。フィルター換気穴付き)に20mlは多すぎますよね。換気穴のフィルターに培地が付いてpHが気まずくなったりしないんでしょうか?

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by koretoki | 2009-08-26 07:41


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