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2017年 12月 31日

はじめまして!

はじめまして!
昆虫に関する論文、細胞に関する論文、培養に関する論文を好んで読んでいます。

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by koretoki | 2017-12-31 23:59
2016年 06月 24日

培養改善を目指した開発を行う前に確認しておきたいトランスクリプトーム

数十mlのフラスコでの培養の結果と、数Lのジャーでの培養の結果が一致しないことはよくあります。というか、ほとんど一致しないと思います。
その原因をアレイで調べ、培養方法を変えてフラスコとジャーの結果を一致させた研究です。

PMID: 25271019
Hypoxia influences protein transport and epigenetic repression of CHO cell cultures in shake flasks

著者らの先行研究で、フラスコ培養において銅の添加が細胞増殖や組み替えタンパク質生産量が改善できるというものがありましたが、ジャーで再現することができませんでした。
フラスコとジャーが一致しなかった原因を調べるため、それぞれで培養したCHO細胞をマイクロアレイで分析しました。
分析の結果、
タンパク質の細胞内輸送に関わる遺伝子の発現量がフラスコ培養<ジャー培養、
エピジェネティック制御に関わる遺伝子の発現量がフラスコ培養>ジャー培養、
となっていた他、低酸素状態で発現する遺伝子の発現がフラスコ培養>ジャー培養となっていました。

そこで、先の銅添加による培養改善効果をジャーで再現するため、ジャーでの培養を元々のDO60%からDO15%に下げて実験を行いました。
DOを15%まで下げた結果、金属イオン(銅とか鉄とか、と論文中にはフワッとした記述)による培養改善効果がジャーで再現したとのことです。

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培養改善のための開発を行う前に、実生産タンク培養中のCHO細胞のデータと開発時の評価系に用いる培養中のCHO細胞のデータを比べておいて、ここならこの系で開発しても実生産タンクに持っていけるなっていうのを確認しようと思いました。
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by koretoki | 2016-06-24 17:15
2016年 06月 18日

医薬品製造用CHOにも使えるゲノム編集技術:RNA-seqから見つけた遺伝子が実際に良い遺伝子であった例

「RNA-seqから見つけた遺伝子が実際に良い遺伝子であった例」をよく求められるのですが、これはRNA-seqで見つけた6遺伝子のうち2個でknockoutすると良いことがあった例です。
あと、CHOの論文で5番目の著者がCHOさん。

PMID: 26854539
Targeted gene deletion using DNA-free RNA-guided Cas9 nuclease accelerates
adaptation of CHO cells to suspension culture
工業的なタンパク質生産に用いるCHO細胞は無血清培地に馴化させており、また、足場のない浮遊細胞を行います。著者らは、ゲノム編集技術を用いてCHO-K1細胞の無血清・浮遊培養への馴化促進を試みました。

まず開発の対象を得るため、CHO-K1細胞を無血清培地で浮遊培養して馴化させました。継代は10回行い、7回目ほどで馴化が完了したようです。馴化中の細胞及び馴化後の細胞についてRNA-seqを行い、DESeqを用いて発言変動遺伝子(DEG)を抽出しました。得られたDEGより、馴化に伴って発現の減少するDEGとして減少幅の大きい6遺伝子を選抜しました。
次に、それらの6遺伝子についてDNA-free RNA-guided Cas 9の系を用いてknockout したCHO-K1細胞を作成し、無血清・浮遊培養への馴化を行いました。結果、6遺伝子中2個の遺伝子については、それぞれのknochoutによって馴化が促進されました。また、アンプリコンシークエンスにより、馴化前後で細胞集団中のknochoutが成功している細胞の割合を調べたところ、馴化促進効果のあった2遺伝子については、knochoutの成功している細胞が集団中の割合を増加させていました。

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元々CHO細胞の無血清浮遊化にかかる期間は1ヶ月程度ですので、ゲノム編集の手間を考えると実用性には疑問がありますが、RNA-seqで見つけた良さそうな遺伝子の答え合わせの例題としてクリアであると思います。通常のCRISPR/Cas9の系ではプラスミドやレンチウィルスの配列がホスト細胞ゲノムに導入されてしまうことがあり抗体医薬製造用の細胞開発では不適切であるため、CHO細胞のゲノム編集にはDNA-free な編集系の適用が必要であると著者らは述べており、ここが本研究の重心のようです。なので、DEGを得るためにどのサンプル間で比較したのかがわからなかった点、シークエンスした細胞のうち1つの実験区でのみ培養初期(培地に細胞を播種してすぐ)にサンプリングを行ってしまった点(なのでひとつだけPCAで外れてる)も致し方ないのかなと思いました。
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by koretoki | 2016-06-18 11:49
2016年 06月 16日

6x8x8 人工イクラ細胞アレイ

産業用の動物細胞の研究開発では、増殖や生産性が良くなることを期待して培地を改造することがあります。アミノ酸、ビタミン、乳酸、グルタミン酸など多数の培地成分について濃度を振って培養試験を行うためサンプル数が多くなりがちなので、どうやって捌くかが悩みの種になっています。
タンパク質製造のための細胞の培養試験では、細胞数、生産タンパク質濃度の他、糖や乳酸などの代謝物の測定を行うことが多いのですが、細胞数の測定の自動化の点で特に問題がありました。例えば、最も普及している自動細胞数測定装置であるvicellは、一度の測定に500μLのサンプルを要求します。同時に多くの試験を行うにはひとつひとつの培養を小さくしたいのですが、小さくし過ぎると細胞数が数えられなくなってしまうのです。
そこで著者らは、侵襲性のある方法ではあるものの細胞数を測定可能な小さな培養系を用いることにしました。

PMID 24227746
Microarray platform affords improved product analysis in mammalian cell growth studies

培養系の構築は下記の通りです。
polystyrene-co-maleic anhydride でコートしたガラス板の上にpoly-L-Lysineと塩化バリウムの混合液をスポットします。スポットにはMicrosSys 5100-4SQ microcontact microarray spotter という装置を用いるようです。
スポットが十分に乾いたら、200細胞を含んだ60nlの培養液をその上にスポットします。ここで、培養液には、アルギン酸が1%溶かされています。元のスポットに含まれるバリウムがアルギン酸を架橋してアルギン酸バリウムゲルになります。ちなみに人工イクラはアルギン酸カルシウムゲルです。
このようにして固定した細胞を含むゲルたちを、培地で封入して乾燥を防ぎます。

実験終了後はガラス板上に固定したままインビトロジェンのlive/dead viability/ cytotoxicity kit for mammalian cellsを用いて生細胞数を測定することができます。

論文中ではこの系を用いて培地の改変を行っています。



ひとつのガラス板には6x8個の培養をつくることができ、ひとつの装置にはガラス板が8枚乗るそうなので、6x8x8で384の培養をつくることができます。10日間の培養中に4回測定するとしてn=5でやっても20。ひとつの装置で20ほどの条件を調べることができる計算です。
著者らが引用していたambr15は15mL程度のバイオリアクターを24個並列に実験可能ではありますが、ambr15はクリーンベンチひとつ独占するので単位ラボ面積あたりでは利点がありそうです。

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96穴プレート振るのと比べて果たして買うかなと思いました。
一方で、培地の最適化で使う材料はなるほどなと思いました。
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by koretoki | 2016-06-16 11:43
2013年 12月 06日

NLTKで論文を読んでみた

今日の材料はこれ
Transcriptome Responses of Insect Fat Body Cells to Tissue Culture Environment

映画「The Social Network」の脚本をNLTKで解析して遊んでみたや、
「魔法少女まどか☆マギカ」の台詞をNLTK(Natural Language Toolkit)で解析するに習ってやってみました。
途中グラフ描くのがやばかったので、Matpotlibのインストールで詰んだあたなへを参考にEPDを使って楽しました。

論文のテキストをコピーペーストし、'pc論文.txt' として保存しました。
iPythonを起動し、

#20131206追記
import nltk
from nltk.book import *

#データの読み込み
raw=o p e n ('pc論文.txt').read()
#単語認識
tokens=nltk.word_tokenize(raw)
text=nltk.Text(tokens)

#単語数
len(tokens)
Out[12]: 5791

#語彙数
tokens_1 = [w.lower() for w in tokens] #20131206修正('s/I/1/g')
len(set(tokens_1))
Out[14]: 1935

訳2000単語知ってれば論文が書ける!!

#何回'cell' って言ってるか
tokens_1.count('cell')
Out[15]: 36

tokens_1.count('cells')
Out[16]: 27

tokens_1.count('fat')
Out[17]: 81

tokens_1.count('body')
Out[18]: 70

bodies がいる予感...

#culture とprimary が含まれる文
text.concordance("culture" and "primary",lines=5)
Displaying 5 of 8 matches:
es. Cell lines are established from primary culture of tissue when a population
roliferating cells derived from the primary tissue explant undergo immortalizat
undergo immortalization [ 5 ] . In primary cultures of insect cells , it usual
ught that during the early stage of primary culture , isolated explants activat
ant are different from cells in the primary tissue. Champy ( 1913 ) proposed th

#単語の分布をみる
fdist=nltk.FreqDist(w.lower() for w in text)
fdist.plot(50,cumulative=True)

e0160319_6553397.png


よく出てくる単語の出てくるタイミングがみたくなりますね。

#単語を指定
terms=['cells','cell','transcriptome','genes','culture','intact']

#指定した単語の分布を見る
text.dispersion_plot(terms)

transcriptomeについて話してからgenesに移行するのが多いらしい
e0160319_6564779.png


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by koretoki | 2013-12-06 10:20
2010年 11月 22日

ハエS2セルラインの細胞伸展についての全ゲノムRNAiスクリーニング

全ゲノムRNAiスクリーニング、なんて言葉がpubmedでふつうに引っかかってくるようになりました。
僕が大学入った頃と全然違う..

Michael V. D'Ambrosio and Ronald D. Vale
A whole genome RNAi screen of Drosophila S2 cell spreading performed using automated computational image analysis
The Journal of Cell Biology Published November 1, 2010 // JCB vol. 191 no. 3 471-478
http://jcb.rupress.org/content/191/3/471.long

細胞は様々な形態をとることがしられています。これまでも、細胞形態決定因子として、種々のタンパク質が同定され、またその機能が解析されてきました。アクチン細胞骨格は、もっとも研究された蛋白質のひとつで、他にも多くのタンパクの関与が示されています。RNAiによる遺伝子スクリーニングは細胞生物学的な活性を持つ蛋白質を同定する為の強力な方法ですが、これまで、細胞形態決定因子については限られた遺伝子しかRNAiの対象となっていませんでした(Kingerら994遺伝子、Rogersら96遺伝子)。それらの研究においては、手動の顕微鏡操作と、目視による分析が行われてきましたが、全ゲノムスクリーニングに求められる情報量は、目視で扱える量を超えてしまいます。昨今の顕微鏡関連技術の進歩によって、細胞ベースで全ゲノムをスクリーニングすることが可能になってきましたが、大量の画像データの取り扱いはいまだに容易ではなく、画像解析が全ゲノムスクリーニングを行う為の律速段階となって研究が進んでいません。著者らはこれを解決すべく、画像データの扱いを自動化することで、全ゲノムRNAiスクリーニングを成功させました。

本研究においては、ショウジョウバエ由来S2セルラインの細胞伸展に影響を与える遺伝子を見つける目的で、全ゲノムRNAiスクリーニングを行いました。Scar-Arp2/3 actin nucleation経路の遺伝子の関与が期待され、casein kinase Ⅰなどが同定されました。また、異なる非伸展型の形態的形質は、膜の分泌か合成に関わる遺伝子として同定されました。このグループに属する遺伝子として、新規の分泌ペプチドを同定し、2つの性質の分かっていなかった小胞体タンパク質が、分泌機能を持つことを明らかにしました。本研究を通して、既知の、あるいは予想されていなかったタンパク質が、細胞伸展において重要な役割を果たすことを示しました。

作戦のゴールは20-200くらいの遺伝子の"hit list"を作ること!full-genome Drosophila RNAi libraryのdsRNAを用いてS2細胞を5日間処理し、その後細胞をCon Aでコートした容器で3h培養し、固定してDNA, α-tubulin, actinを染色して観察しました。それらの顕微鏡画像を取り込み解析して、それぞれのRNAi実験区の細胞について以下の7つのパラメータを算出、評価しました。

FFT:Fast Fourier trans フーリエ変換で分けたときに出来た波の数=複雑さ
DT:Decision tree 決定木法でわけたときのクラスタ
NOC:No. of corners 細胞の輪郭の曲がりの回数
Actin perimeter intensity アクチン周囲長輝度
cell spreading Actin/area 細胞輪郭のうち、アクチンを発現している部分の割合
Decision tree arp/scar arp/scarを基準にクラスタ分けした場合
Dicision tree coffin/CAP coffin/CAPを基準にクラスタ分けした場合

それぞれのパラメータについて、Top40とBottom40の遺伝子リストができました。
リストは...長過ぎるので載せられないです...


放置しすぎて更新の仕方分からなくなってました....orz

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by koretoki | 2010-11-22 01:21
2010年 05月 17日

こっちのみーずはあーまいぞー

degenerin/epithelial (Deg/ENaC) sodium channel familyであるPPK28が、水に対する細胞と行動の反応を仲介している。
Peter Cameron, Makoto Hiroi, John Ngai & Kristin Scott
The molecular basis for water taste in Drosophila
Nature 465, 91–95 (06 May 2010) doi:10.1038/nature09011

候補遺伝子は、味覚ニューロンをマイクロアレイして探索しました。哺乳動物の味覚システムではイオンチャンネルはすっぱさと塩味を検知していることから、著者らは、味覚リッチなイオンチャンネルを候補と考え解析を進めました。その中で挙がった遺伝子PKK28は、プロモータと推定される遺伝子で、口吻で発現していました。PKK28-Gal4のニューロンに様々な濃度のNaCl、Sucrose、Ribose、NMDG、PEG溶液を与え、G-CaMP系でニューロンの発火を検知したところ、いずれの溶液においても低濃度で発火しました。pkk28をノックアウトしたハエはスクロースに反応しましたが、水には反応できませんでした。苦味に反応する味覚ニューロンにpkk28を発現させると水に反応するようになりました。また、HEK293細胞にpkk28を発現させると低張液に反応するようになったそうです。

これらのことからPKK28を水の知覚に関連していると結論付けました。



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by koretoki | 2010-05-17 15:07
2010年 05月 15日

Freeの画像解析ソフトですよ

後輩に良いソフトを教えてもらったのです。
CellProfiler http://www.cellprofiler.org/

Carpenter AE, Jones TR, Lamprecht MR, Clarke C, Kang IH, Friman O, Guertin DA, Chang JH, Lindquist RA, Moffat J, Golland P, Sabatini DM.
CellProfiler: image analysis software for identifying and quantifying cell phenotypes.
Genome Biol. 2006;7(10):R100. Epub 2006 Oct 31.

CellProfilerを発表する論文です。使い方、たとえば、CellProfilerではいくつかのmodulesを組み合わせてpipelineをつくり、写真からデータを抽出しているのですが、そういうことが書いてあります。

実際の使用例として、細胞数測定、細胞サイズ測定、DNA量測定、リン酸蛋白量測定、蛋白局在解析、GFP標識物の動画解析、斑解析などがあげられています。
さらに具体的なテーマと組み合わせた例では、RNAiで起きた細胞の変形の度合いを調べたり、細胞質-核のトランスロケーションを調べたりしています。

当然フリーなので是非。
フリーといえば読みました。クリスアンダーソン著フリー
で、私が選ぶのはフリーミアムの恩恵を受けていこう、つまり、フリーの商材(研究資材)を活用して張富士夫の言うところの付加価値を提供していこうというやり方。CellProfilerの利用もその一環です☆



上と同様に紹介する論文。
Lamprecht MR, Sabatini DM, Carpenter AE.
CellProfiler: free, versatile software for automated biological image analysis.
Biotechniques. 2007 Jan;42(1):71-5.
今回は①プレート上で増えるイーストのコロニーを認識、コロニー数測定、コロニー大きさ測定②セルアレイの解析③GFPラベルしたマウス肺がんの解析、治癒中の傷の変化、ショウジョウバエの組織形態解析を例として挙げています。



CellProfiler Analyst、CellProfilerの横の置いてあるソフト
データの描出と機械学習が出来るそうです。
Jones TR, Kang IH, Wheeler DB, Lindquist RA, Papallo A, Sabatini DM, Golland P, Carpenter AE.
CellProfiler Analyst: data exploration and analysis software for complex image-based screens.
BMC Bioinformatics. 2008 Nov 15;9:482.

Jones TR, Carpenter AE, Lamprecht MR, Moffat J, Silver SJ, Grenier JK, Castoreno AB, Eggert US, Root DE, Golland P, Sabatini DM.
Scoring diverse cellular morphologies in image-based screens with iterative feedback and machine learning.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2009 Feb 10;106(6):1826-31. Epub 2009 Feb 2.
機械学習はたとえば細胞の見分けなどに使われる技術で、教材となる画像をどんどんいれてやって、それに対する応答に正解不正解を付けてやる作業を繰り返すことで、ものの見分けを学習させようとするもので、論文中ではヒトの細胞について行っています。



CellProfilerを使って蛍光染色を減らそうとした論文
Selinummi J, Ruusuvuori P, Podolsky I, Ozinsky A, Gold E, Yli-Harja O, Aderem A, Shmulevich I.
Bright field microscopy as an alternative to whole cell fluorescence in automated analysis of macrophage images.
PLoS One. 2009 Oct 22;4(10):e7497.
これまで細胞を画像認識しようとするときに、核と細胞質全体をそれぞれ別の蛍光で染色し、見分けていました。著者らは、細胞質全体の染色による認識を、明視野顕微鏡(もっとも基本的な顕微鏡)からの画像情報を処理して認識しやすくしたもので、置き換えようと考えました。実際には明視野の画像をストックし、コントラストを極端に強調したものを重ね合わせることで可能にしているようです。



プログラミングのスキルのない生物学者が多型分析とかをするためのツール
Misselwitz B, Strittmatter G, Periaswamy B, Schlumberger MC, Rout S, Horvath P, Kozak K, Hardt WD.
Enhanced CellClassifier: a multi-class classification tool for microscopy images.
BMC Bioinformatics. 2010 Jan 14;11:30.
CellProfilerが出したデータを利用者が簡単に解析できることを目的としたソフトのようです。論文中の例では、
①hepatocyte growth factor(HGF)が細胞のラフリングに与える影響を調べています。HGFをHeLaに与え、ラフリングさせた画像を解析しようとしたところ、上手くいきませんでした。というのも、ラフリングした細胞/ラフリングしない細胞だけでなく、有糸分裂中の細胞もあったからです。そこで、CellClassifierを用い782枚の画像を元に機械学習を行い、それらの見分けを可能にしたことでラフリングの解析を行いました。
②サルモネラ菌がHeLaにくっつくのを調べています。結果として、40%の細胞にサルモネラ菌が付着している条件化で、90%の有糸分裂中の細胞に付着が、また、40%弱の通常の細胞に付着が見られました。



最後に技術系でない論文を
Hoffman EM, Miller KE.
Peripheral inhibition of glutaminase reduces carrageenan-induced Fos expression in the superficial dorsal horn of the rat.
Neurosci Lett. 2010 Mar 26;472(3):157-60. Epub 2010 Feb 2.
まず、
Hoffman EM, Miller KE.
まず、カラゲナン上の末梢神経へのGLS阻害が誘導する後ろ足の膨潤の影響を調べました。足底へカラゲナンを注入し、後ろ足だけ膨潤することを示しました。次に、カラゲナン上の末梢神経へのGLS阻害が誘導するFos発現の影響を調べました。Fosを免染し、Fosを発現している核の数を数えました。この測定にCellProfilerを使っています。1報目の論文で、”modules”を組み合わせて"pipeline"をつくる、と書きましたが、この論文ではそのpipelineがtableの形で載っています。さて、この研究では、グルタミナーゼの末梢神経阻害がカラゲナンに誘導されるFos発現を減少させる、とのことですが、よくわかりません。どうも、カラゲナンは炎症を誘導するための剤のようで、Fosが末梢の炎症の指標のようです。グルタミナーゼは神経のミトコンドリアにあってグルタミンを加水分解する酵素であるので、炎症情報の生体内伝達が液性因子だけでなく神経に仲介された情報伝達によって行われることを示唆しているのではないでしょうか。abstには、グルタミナーゼが炎症を沈める治療の新しい標的になりうると書いてあります。




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by koretoki | 2010-05-15 12:31
2010年 05月 15日

培地データベース

Brunner D, Frank J, Appl H, Schöffl H, Pfaller W, Gstraunthaler G.
Serum-free cell culture: the serum-free media interactive online database.
ALTEX. 2010;27(1):53-62.

http://www.goodcellculture.com/

FBSを使わない培養にはいろいろメリットがあるけど、細胞にあったFBSフリーの培地を探すのは手間なもの。interactive online databaseつくって情報交換しようよ、っていうことらしいです。この論文自体は培養とは何か、とか、FBSの役割、とか易しい総説風です。後輩にあげよう。

さっそくgoodcellcultureでぐぐってみたものの、topしか表示されない・・・
IEでやり直し。Gchromeでは駄目でした。

現時点で登録されている昆虫細胞用の培地は以下の16です。

BD BaculoGold Max-XP, BIOINSECT-1, CELLect Insect Cell Culture Medium, CELLect Serum-free Insect Virus, Chemically Defined Lipid Concentrate, Drosophila-SFM, Express Five SFM, HyClone SFX-Insec Cell Culture, Insect Express Prime, Insect Medium Supplement, IS BAC Medium for Insect Cells, Serum Free, Met Free Insect Culture Medium, Serum-Free Insect Culture Medium, Serum-free Insect Medium-1 Protein-free, Sf-900 II SFM, Sf-900 III SFM

初代培養をやるときの培地選びって、前例がなければ端から順番にやるしかない。そういうときに近い動物での成功例が分かったらとても助かると思います。




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by koretoki | 2010-05-15 05:11
2009年 12月 02日

細胞の個性が決まる仕組み

セルラインのように、同一の細胞から由来する細胞の集団の中にも不均一性が生じることが知られています。例えクローニングをしたとしてもそのラインの中で新たな不均一性が生じます。これまで、こういった細胞集団の不均一性は転写やリン酸化を指標に調べられてきましたが、不均一性の原因について解明した研究はありませんでした。
今回著者らは、①接種したウィルスの感染の有無を細胞の状態を示す指標として用い、②培養の映像から細胞の大きさや密度といったパラメータを抽出し、③それらパラメータと細胞の状態についての膨大なデータをニューラルネットワークの学習を用いることで解析することで、細胞の状態とパラメータの関係の概要を導きました。

Snijder B, Sacher R, Ramo P, Damm EM, Liberali P, Pelkmans L.
Population context determines cell-to-cell variability in endocytosis and virus infection.
Nature. 2009 Sep 24;461(7263):520-3.

実験には、HeLa, A431, MCF10Aといったセルラインが用いられました。また、ウィルスはSV40, Rotavirus, Dengue virusなどが用いられています。著者らは、同一実験条件化で培養されたセルラインにウィルスを接種した場合に、細胞によって感染したりしなかったりすることに注目し、ウィルスの感染が細胞膜の性質に大きく依存することから、ウィルス感染の有無を細胞の状態、特に細胞膜の状態を示す指標になると考えたようです。
撮影された培養の映像から、Population size, Local cell density, Cell islet edges, Cell size, Mitotic state, Apoptotic stateの情報を抽出し、これと接種した各ウィルスの感染の状態をデータとしました。

今回用いられたBootstrapped Bayesian network learning法は、ニューラルネットワークという数学モデルに基く手法で、私が扱うような通常の統計的手法―正規分布やポアソン分布といった何らかのデータの特徴を仮定する方法―と比べて、データの特徴を手法が提出してくれるという点で特に大きく異なっています。(らしいです。)

e0160319_25832.jpg


解析の結果、細胞の集団内の位置から、細胞の状態を説明する方法が発見されました。




iPSを選別する画像処理技術は既に開発され、商品化に向けて研究中と聞きます。(http://d.hatena.ne.jp/Trick_or_treat/20090410)
私は、細胞培養技術の煩わしい点のひとつに、細胞の培養を行う―単に植え継ぎ操作をするという意味ではなく、実験の目的に適う良くコントロールされた状態に培養細胞を保つこと―ために訓練が必要なことがあると考えています。そして、細胞の状態を見る目を養うことも訓練の一部ですし、またそうやって養った目に個人間の差異がある可能性もあります。
画像認識のような中立かつ非侵襲の方法が、細胞培養をより安定な技術とするに違いないと期待しています。


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by koretoki | 2009-12-02 02:05