2011年 05月 05日

昆虫のテロメラーゼ活性

だいぶ前に読んだけどメモしてなかったから探すの大変だった...
のでメモメモ。

Sasaki T, Fujiwara H.
Detection and distribution patterns of telomerase activity in insects.
Eur J Biochem. 2000 May;267(10):3025-31.

著者らは、テロメラーゼの昆虫での機能について調べるため、テロメア合成酵素の発現を昆虫の様々な組織、セルラインで調べました。

結果、
ゴキブリの脂肪体、神経、筋肉、精巣、germlineでは発現あり
カイコ、ショウジョウバエ、センチニクバエでは発現なし
でした。

つまり、
テロメラーゼは昆虫成虫の組織でふつうに発現してる
昆虫由来細胞系の無限増職能はテロメラーゼ活性と関係ない

もっとも、あいつらはトランスポゾンでテロメア伸ばしてることが分かってるのでなるほどなんですけど。

普段テロメラーゼなにしてるんでしょうね....



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# by koretoki | 2011-05-05 01:18
2010年 11月 23日

昆虫ホルモンがカイコの後胚子発生において脂肪体の自然免疫を劇的に制御している

昆虫ホルモンによるゲノムワイドな自然免疫の制御@カイコ脂肪体

Ling Tian1†, Enen Guo2†, Yupu Diao1, Shun Zhou1, Qin Peng1, Yang Cao2, Erjun Ling1, Sheng Li1
Genome-wide regulation of innate immunity by juvenile hormone and 20-hydroxyecdysone in the Bombyx fat body
BMC Genomics 2010, 11:549

昆虫の自然免疫はJHと20Eに影響されうる。しかし、いかに自然免疫が2つのホルモンによって発生上制御されているかは解明されていない。カイコにおいては、最終脱皮(4M)の間にJHと20Eは高いレベルになり、5齢摂食時(5F)にはなくなる。一方蛹期では、JHは低く20Eは高いレベルになる。脂肪体はホルモン応答分子を生産し、ゆえに脂肪体は自然免疫に関与する主な器官とみなされてきた。

4M、5F、PPのカイコ脂肪体のゲノムワイドマイクロアレイ分析は多数の発現量の違う遺伝子を明らかにした。特に、4MではPPと比して、6つの抗菌ペプチド(AMP)が上方制御されている。このことは、カイコの自然免疫が発生上2つのホルモンによって制御されていることを示唆している。第一に、JH処理は劇的にAMP mRNAレベルと活性を増加させる。さらに、20E処理はAMP mRNAレベルと活性への阻害効果を示し、また、20Eレセプター EcR-USPをRNAiしたところ20E処理と逆の効果を示した。

カイコの後胚子発生における脂肪体では、JHは免疫活性剤として働き、20Eは自然免疫を阻害していた。

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# by koretoki | 2010-11-23 02:09
2010年 11月 22日

ハエS2セルラインの細胞伸展についての全ゲノムRNAiスクリーニング

全ゲノムRNAiスクリーニング、なんて言葉がpubmedでふつうに引っかかってくるようになりました。
僕が大学入った頃と全然違う..

Michael V. D'Ambrosio and Ronald D. Vale
A whole genome RNAi screen of Drosophila S2 cell spreading performed using automated computational image analysis
The Journal of Cell Biology Published November 1, 2010 // JCB vol. 191 no. 3 471-478
http://jcb.rupress.org/content/191/3/471.long

細胞は様々な形態をとることがしられています。これまでも、細胞形態決定因子として、種々のタンパク質が同定され、またその機能が解析されてきました。アクチン細胞骨格は、もっとも研究された蛋白質のひとつで、他にも多くのタンパクの関与が示されています。RNAiによる遺伝子スクリーニングは細胞生物学的な活性を持つ蛋白質を同定する為の強力な方法ですが、これまで、細胞形態決定因子については限られた遺伝子しかRNAiの対象となっていませんでした(Kingerら994遺伝子、Rogersら96遺伝子)。それらの研究においては、手動の顕微鏡操作と、目視による分析が行われてきましたが、全ゲノムスクリーニングに求められる情報量は、目視で扱える量を超えてしまいます。昨今の顕微鏡関連技術の進歩によって、細胞ベースで全ゲノムをスクリーニングすることが可能になってきましたが、大量の画像データの取り扱いはいまだに容易ではなく、画像解析が全ゲノムスクリーニングを行う為の律速段階となって研究が進んでいません。著者らはこれを解決すべく、画像データの扱いを自動化することで、全ゲノムRNAiスクリーニングを成功させました。

本研究においては、ショウジョウバエ由来S2セルラインの細胞伸展に影響を与える遺伝子を見つける目的で、全ゲノムRNAiスクリーニングを行いました。Scar-Arp2/3 actin nucleation経路の遺伝子の関与が期待され、casein kinase Ⅰなどが同定されました。また、異なる非伸展型の形態的形質は、膜の分泌か合成に関わる遺伝子として同定されました。このグループに属する遺伝子として、新規の分泌ペプチドを同定し、2つの性質の分かっていなかった小胞体タンパク質が、分泌機能を持つことを明らかにしました。本研究を通して、既知の、あるいは予想されていなかったタンパク質が、細胞伸展において重要な役割を果たすことを示しました。

作戦のゴールは20-200くらいの遺伝子の"hit list"を作ること!full-genome Drosophila RNAi libraryのdsRNAを用いてS2細胞を5日間処理し、その後細胞をCon Aでコートした容器で3h培養し、固定してDNA, α-tubulin, actinを染色して観察しました。それらの顕微鏡画像を取り込み解析して、それぞれのRNAi実験区の細胞について以下の7つのパラメータを算出、評価しました。

FFT:Fast Fourier trans フーリエ変換で分けたときに出来た波の数=複雑さ
DT:Decision tree 決定木法でわけたときのクラスタ
NOC:No. of corners 細胞の輪郭の曲がりの回数
Actin perimeter intensity アクチン周囲長輝度
cell spreading Actin/area 細胞輪郭のうち、アクチンを発現している部分の割合
Decision tree arp/scar arp/scarを基準にクラスタ分けした場合
Dicision tree coffin/CAP coffin/CAPを基準にクラスタ分けした場合

それぞれのパラメータについて、Top40とBottom40の遺伝子リストができました。
リストは...長過ぎるので載せられないです...


放置しすぎて更新の仕方分からなくなってました....orz

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# by koretoki | 2010-11-22 01:21
2010年 05月 19日

ネズミは生まれつきネコが嫌い

Fabio Papes, Darren W. Logan, Lisa Stowers
The Vomeronasal Organ Mediates Interspecies Defensive Behaviors through Detection of Protein Pheromone Homologs
Cell, Volume 141, Issue 4, 692-703, 14 May 2010

youtube上のプレゼンテーション

捕食者を忌避する行動はこれまでも観察されてきました。
マウスは捕食者(ネコ、ヘビ、ラット)の匂いに対して忌避行動を取り、ストレスホルモンを分泌します。著者らはこれらが遺伝的にプログラムされたものであると考え、嗅覚の重要性調べ、リガンドの同定、感覚ニューロンの同定を行いました。

vomeronasal organ(鋤鼻器)の機能を欠損したマウスでは捕食者の匂いに対する忌避行動が起こりませんでした。→鋤鼻器がリガンドを検出してる。
ラットの尿をフラクション分けしてマウスの忌避行動を元にバイオアッセイした結果、主要尿たんぱく質(major urinary protein)であるMup13がリガンドとして同定されました。また、Caイメージングすると、Mup13が鋤鼻器感覚ニューロンを発火させていることが分かりました。さらに、cFos染色によって、脳内の嗅覚中心が活性化していることも示しました。
リガンドは捕食者で共通するのか、という疑問に答えるため、ネコ由来のリガンドを同定し、同じmupファミリーであるFeld4を同定しました。マウスの感覚ニューロンがマウス、ラット、ネコのmupに対して別々に働き、捕食者には忌避を、同種には接触を誘導すると考えているようです。

捕食者じゃない動物、たとえば牛のmupはどういう扱いになるんでしょうかね?
あとは、匂いに関する遺伝的なプログラムと記憶との間の重み付けとかも面白そう
ネコと一緒に暮らしてるとネコには慣れるけどMHC近いのはずっと無理、とか



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# by koretoki | 2010-05-19 10:22
2010年 05月 17日

こっちのみーずはあーまいぞー

degenerin/epithelial (Deg/ENaC) sodium channel familyであるPPK28が、水に対する細胞と行動の反応を仲介している。
Peter Cameron, Makoto Hiroi, John Ngai & Kristin Scott
The molecular basis for water taste in Drosophila
Nature 465, 91–95 (06 May 2010) doi:10.1038/nature09011

候補遺伝子は、味覚ニューロンをマイクロアレイして探索しました。哺乳動物の味覚システムではイオンチャンネルはすっぱさと塩味を検知していることから、著者らは、味覚リッチなイオンチャンネルを候補と考え解析を進めました。その中で挙がった遺伝子PKK28は、プロモータと推定される遺伝子で、口吻で発現していました。PKK28-Gal4のニューロンに様々な濃度のNaCl、Sucrose、Ribose、NMDG、PEG溶液を与え、G-CaMP系でニューロンの発火を検知したところ、いずれの溶液においても低濃度で発火しました。pkk28をノックアウトしたハエはスクロースに反応しましたが、水には反応できませんでした。苦味に反応する味覚ニューロンにpkk28を発現させると水に反応するようになりました。また、HEK293細胞にpkk28を発現させると低張液に反応するようになったそうです。

これらのことからPKK28を水の知覚に関連していると結論付けました。



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# by koretoki | 2010-05-17 15:07