2009年 03月 06日

Filter Well Insertsで腱細胞を高密度に培養する

Güngörmüş C, Kolankaya D.
Characterization of type I, III and V collagens in high-density cultured tenocytes by triple-immunofluorescence technique.
Cytotechnology. 2009 Jan 20.

 近年、心筋、神経や結合組織の細胞をin vitroで産生することが再生医療と関連して行われるようになってきました。腱(tendon)の傷害の再生を目指す場合には腱細胞(tenocyte)が重要だと考えられます。腱は乾燥重量の75-90%をコラーゲンが、0,2-5%をproteoglycanが、1-2%をエラスチンが占め、残りはfibronectinで出来ています。それらの細胞外マトリクスは腱細胞によって作られます。腱細胞を培養すると、in vitroで細胞表面にコラーゲンを作って3Dのマトリクスを作ることが知られていますが、でも単層培養ではin vivoの類似環境としては不十分だと考えられています。長期培養ではコラーゲンの産生能が低下してしまうことも知られています。Millicell Filter Well Insertsは伝統的なプラスティックディッシュよりも細胞の付着を促進し、apical(頂端の、尖端の)とbasolateral(側底の、基底の)両面から培地に触れられるのでより自然な増殖環境を再現できます。著者等はFWI上で腱細胞を高密度に培養し、腱細胞内の、コラーゲンⅠ,Ⅲ,Ⅴの分布を、3重ラベル免疫蛍光染色を用いて調べました。

 まず、腱をexplant cultureに供し、migrationしてきた2極のspindle shape型の細胞形態で、丸い核を持った細胞を継代しました。4週間単層培養を行った後、FWIに植え継いで、3週間培養しました。


 1週目の終わりには細胞がaggregationし、時間の経過と共に集団同士がだんだんと合体して、3週目の終わりには1-2mmのクラスターになりました。そうやって高密度に培養された腱細胞のコラーゲン分布を調べると、Ⅰ型は核の周りに多く、Ⅲ型は細胞質に分散していました。Ⅴ型は細胞質の原線維と小胞の形成部に多く見られました。

 著者等は、FWI上での高密度培養が、腱細胞を多種コラーゲン産生能を失わせることなく培養するための適切な培養であると結論付けています。この高密度培養法はtissure engineeringや腱の再生への応用が期待されます。

 あのザル、Drosophila Mycの実験みたいに2種の細胞の相互関係を調べるためのものだとばかり思っていたのですがこんな風にも使えたんですねー




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by koretoki | 2009-03-06 23:39


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