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したっぱ昆虫細胞研究者のメモ

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2009年 01月 15日

カイコはsmall RNAでトランスポゾンをコントロールしてる

先日ショウジョウバエのテロメアについてのレビューを紹介しましたが、やはりトランスポゾンをコントロールする方法が存在するようです。

Kawaoka S, Hayashi N, Katsuma S, Kishino H, Kohara Y, Mita K, Shimada T.
Bombyx small RNAs: Genomic defense system against transposons in the silkworm, Bombyx mori.
Insect Biochem Mol Biol. 2008 Mar 27.

small RNAには、microRNAs(miRNAs)、small interfering RANs(siRNAs)などがあり、mRNAの分解、転写抑制、ヘテロクロマチン構成、DNA除去などの役割を担っていると考えられています。
siRNAsはRNAiに関連して有名ですが、長いdouble stranded RNA(dsRNA)をRNase Ⅲ-like enzyme Dicerが約21ntにカットすることで産生されます。
最近small RNAの3番目のクラスとしてpiwi-interacting RNAs(piRNAs)が注目されています。piRNAは26-33ntと、siRNAs(21-23nt)より長く、ArgonauteプロテインファミリーのサブクレードメンバーであるPiwiと会合する特徴があります。
ショウジョウバエのgermlineを用いた研究で、piRNAsがトランスポゾンをサイレンシングすることが分かってきました。

著者らはカイコの卵巣由来RNAsから67,700配列38,493種のsmall RNAを同定し、キャラクターを調べました。



釣ってきたsmall RNAのうち72%の27,815種がカイコゲノムのnew scaffoldと一致しました。完全一致したもののうち46%はrasiRNAにクラス分けされ、これらはゲノム中に5回以上hitするand/or ReASに少なくとも1度反復します。
rasiRNAに分類されたsmall RNAsはlong terminal repeat(LTR)、クラスⅡDNAトランスポゾン、short interspersed nuclear element(SINEs)を含む様々なトランスポゾン因子にhitしました。

SART1とTRAS1はよく解析されたテロメア特異的non-LTRレトロトランスポゾンですが、small RNAsのうちそれらと合致するものはそれぞれ131kinds(387clones),10kinds(11clones)でした。
ショウジョウバエではテロメアがHeT-A,TAHRE,TARTなどのテロメアレトロトランスポゾンによって維持されることが示されていて、かつ、RNAiベースのTARTサイレンシングが起きていることも報告されています。
カイコでも、SART1にhitするrasiRNAsがRNAiベースのテロメア維持に関わっていることが推察されます。



エキロロアンしました。
これはもうやるしかないでしょう

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by koretoki | 2009-01-15 02:52


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