2008年 12月 10日
Scribbleは細胞の足場蛋白の遺伝子です。 これを失うことで細胞のアポトーシスが抑制され、がん化を促進することが分かりました。 Zhan L, Rosenberg A, Bergami KC, Yu M, Xuan Z, Jaffe AB, Allred C, Muthuswamy SK. Deregulation of Scribble Promotes Mammary Tumorigenesis and Reveals a Role for Cell Polarity in Carcinoma Cell. 2008 Nov 28;135(5):865-78. 著者らは、非がん性の表皮系細胞系であるMCF-10Aを用いて実験をおこないました。 ScribbleをRNAiでノックアウトすることでアポトーシスのマーカーである活性型Caspase-3がなくなりました。 また、がん遺伝子であるE7を導入したMCF-10A細胞でも同じことが確かめられたため、Scribbleががん遺伝子と共同でがん化を引き起こしているのではないか、と著者らは述べています。 さらに、移植すると2次肺(2次胚ではない)をつくる細胞系COMMA-1Dβgeo(CD)細胞系を用いた実験では、ScrbbleのRNAiによるノックアウトによって、気管の空間がほとんどなくなり、がん化することも示されました。 形成異常によるアポトーシスの減少と、過形成によってがん化が起こるのではないかと考察しています。 がん化していないとされる細胞系は、形成異常なしに過形成した細胞群と捉えていいのでしょうか? そうするとSf-9なんかは、完全に無極性ですし、がん化している? また、コントロール群のMCF-10A細胞で、写真に写っている総ての細胞が活性型Caspase-3を持っているのが、とても不思議でした。(Fig.1B) 人気ブログランキングに参加しています。 応援よろしくお願いします。
by koretoki
| 2008-12-10 18:37
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