したっぱ昆虫細胞研究者のメモ

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2008年 12月 04日

生物時計のケース的存在?

生物時計は転写のフィードバックで組まれたループで出来ていると考えられています。
例えば遺伝子AとBがあって、Aが転写され始めて1時間後にAの転写産物がBの転写を促進し、Bが転写され始めて1時間後にBの転写産物がAの転写を促進するようになっていれば、ぐるぐる無限に続いて時計として機能しますよ、という話です。
それに関わる遺伝子の発現パターンの脳内の局在をコオロギで見ましたよ、という論文。

Shao QM, Bembenek J, Trang le TD, Hiragaki S, Takeda M.
Molecular structure, expression patterns, and localization of the circadian transcription modulator CYCLE in the cricket, Dianemobius nigrofasciatus.
J Insect Physiol. 2008 Feb;54(2):403-13.


ショウジョウバエの転写因子、CYCLEとCLOCKはperiodとtimelessの上流にあるとされ、periodとtimelessの転写産物であるPERとTIMは、CYCLEとCLOCKと相互作用しながら自信の転写を抑制します。
ショウジョウバエでは、PRE、TIM、CLOCKは周期的に発現し、CYCLEは一日中ずっと存在すると言われています。

著者らは、CYCLEとCLOCKの転写産物に対する抗体を調製し、4時間おきに1日6回コオロギの脳を切って免疫染色し、脳内のCYCLE及びCLOCKの局在を調べました。

結果、CYCLEは脳内の様々な箇所で、時間による差が無く存在している事が分かりました。
写真を見ると、細胞の膜の方、外側の方が染まっているように見えます。
CYCLEもCYCLEと同じように、脳内の様々な箇所で、時間による差がなく存在しています。
こっちは、核が染まっている写真がありました。



CYCLEとCLOCKがどうやって見つかったのか知りませんが、もしショウジョウバエでのKO実験から、生物時計に関連すると考えられたなら、時計のムーブメントではなく、ケースの部分のような働きの遺伝子であってもいいのかなと思いました。



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by koretoki | 2008-12-04 04:29


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