したっぱ昆虫細胞研究者のメモ

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2008年 11月 20日

ポリドナvirで甲虫細胞系に遺伝子導入

寄生蜂が寄主に寄生するためには、寄主の免疫系を制御する必要があります。
その因子として、venomやpolydnavirusが知られています。
polydnavirusを遺伝子導入のベクターとして用いたお話です。

D.Gundersen-Rindal,D.E.Lynn,and E.M.Dougherty
TRANSFORMATION OF LEPIDOPTERAN AND COLEOPTELAN INSECT CELL LINES BY GLYPTAPANTELES INDIENSIS POLYDNAVIRUS DNA
In Vitro Cell.Dev.Biol-Animal 35:111-114,February 1999

著者らは、gypsy mothの寄生蜂であるGlyptapanteles属の蜂のpolydnavirusを用いました。
実験には、Glyptaの寄主であるgypsy moth胚由来2つ、gypsy moth幼虫脂肪体由来1つ、Ti.ni.(Lepidoptera)胚由来1つ、Sp.fr.(lepi)蛹卵巣由来1つ、Pl.in.(lepi)翅成虫盤由来1つ、He.vi.(lepi)精巣由来1つ、Di.un.(Coleoptera)胚由来1つ、Tr.co.(Hymenoptera)胚由来2つ、Ae.al.(Diptera)卵由来1つ、計11の細胞系が用いられました。

それぞれの培養に対し、寄生蜂Glypta indiensisのメスの2つの卵巣と毒腺を添加し、観察、PCRによる遺伝子導入の確認を行いました。


結果、寄主を含む全てのLepidoptera由来細胞系とColeoptera由来の細胞系でpolydnavirusによる遺伝子導入が確認されました。
また、細胞系の由来組織の違いによる導入の可否はありませんでした。

細胞の形態や、増殖能はvirus添加後1週間は顕著であり、1-2ヶ月も経つとほとんど分からなくなってしまいました。
大体100回継代くらいまでは導入されたvirusの存在が確認され、特に長いものだと300回継代後でも確認されました。



lepiを狙った寄生蜂の持つpolydnavirusが、全く関係なさそうなcoleoの細胞に導入される―それなのに、HymeとDiではダメだというのがとても面白かったです。


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by koretoki | 2008-11-20 20:07


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