2010年 05月 15日

Freeの画像解析ソフトですよ

後輩に良いソフトを教えてもらったのです。
CellProfiler http://www.cellprofiler.org/

Carpenter AE, Jones TR, Lamprecht MR, Clarke C, Kang IH, Friman O, Guertin DA, Chang JH, Lindquist RA, Moffat J, Golland P, Sabatini DM.
CellProfiler: image analysis software for identifying and quantifying cell phenotypes.
Genome Biol. 2006;7(10):R100. Epub 2006 Oct 31.

CellProfilerを発表する論文です。使い方、たとえば、CellProfilerではいくつかのmodulesを組み合わせてpipelineをつくり、写真からデータを抽出しているのですが、そういうことが書いてあります。

実際の使用例として、細胞数測定、細胞サイズ測定、DNA量測定、リン酸蛋白量測定、蛋白局在解析、GFP標識物の動画解析、斑解析などがあげられています。
さらに具体的なテーマと組み合わせた例では、RNAiで起きた細胞の変形の度合いを調べたり、細胞質-核のトランスロケーションを調べたりしています。

当然フリーなので是非。
フリーといえば読みました。クリスアンダーソン著フリー
で、私が選ぶのはフリーミアムの恩恵を受けていこう、つまり、フリーの商材(研究資材)を活用して張富士夫の言うところの付加価値を提供していこうというやり方。CellProfilerの利用もその一環です☆



上と同様に紹介する論文。
Lamprecht MR, Sabatini DM, Carpenter AE.
CellProfiler: free, versatile software for automated biological image analysis.
Biotechniques. 2007 Jan;42(1):71-5.
今回は①プレート上で増えるイーストのコロニーを認識、コロニー数測定、コロニー大きさ測定②セルアレイの解析③GFPラベルしたマウス肺がんの解析、治癒中の傷の変化、ショウジョウバエの組織形態解析を例として挙げています。



CellProfiler Analyst、CellProfilerの横の置いてあるソフト
データの描出と機械学習が出来るそうです。
Jones TR, Kang IH, Wheeler DB, Lindquist RA, Papallo A, Sabatini DM, Golland P, Carpenter AE.
CellProfiler Analyst: data exploration and analysis software for complex image-based screens.
BMC Bioinformatics. 2008 Nov 15;9:482.

Jones TR, Carpenter AE, Lamprecht MR, Moffat J, Silver SJ, Grenier JK, Castoreno AB, Eggert US, Root DE, Golland P, Sabatini DM.
Scoring diverse cellular morphologies in image-based screens with iterative feedback and machine learning.
Proc Natl Acad Sci U S A. 2009 Feb 10;106(6):1826-31. Epub 2009 Feb 2.
機械学習はたとえば細胞の見分けなどに使われる技術で、教材となる画像をどんどんいれてやって、それに対する応答に正解不正解を付けてやる作業を繰り返すことで、ものの見分けを学習させようとするもので、論文中ではヒトの細胞について行っています。



CellProfilerを使って蛍光染色を減らそうとした論文
Selinummi J, Ruusuvuori P, Podolsky I, Ozinsky A, Gold E, Yli-Harja O, Aderem A, Shmulevich I.
Bright field microscopy as an alternative to whole cell fluorescence in automated analysis of macrophage images.
PLoS One. 2009 Oct 22;4(10):e7497.
これまで細胞を画像認識しようとするときに、核と細胞質全体をそれぞれ別の蛍光で染色し、見分けていました。著者らは、細胞質全体の染色による認識を、明視野顕微鏡(もっとも基本的な顕微鏡)からの画像情報を処理して認識しやすくしたもので、置き換えようと考えました。実際には明視野の画像をストックし、コントラストを極端に強調したものを重ね合わせることで可能にしているようです。



プログラミングのスキルのない生物学者が多型分析とかをするためのツール
Misselwitz B, Strittmatter G, Periaswamy B, Schlumberger MC, Rout S, Horvath P, Kozak K, Hardt WD.
Enhanced CellClassifier: a multi-class classification tool for microscopy images.
BMC Bioinformatics. 2010 Jan 14;11:30.
CellProfilerが出したデータを利用者が簡単に解析できることを目的としたソフトのようです。論文中の例では、
①hepatocyte growth factor(HGF)が細胞のラフリングに与える影響を調べています。HGFをHeLaに与え、ラフリングさせた画像を解析しようとしたところ、上手くいきませんでした。というのも、ラフリングした細胞/ラフリングしない細胞だけでなく、有糸分裂中の細胞もあったからです。そこで、CellClassifierを用い782枚の画像を元に機械学習を行い、それらの見分けを可能にしたことでラフリングの解析を行いました。
②サルモネラ菌がHeLaにくっつくのを調べています。結果として、40%の細胞にサルモネラ菌が付着している条件化で、90%の有糸分裂中の細胞に付着が、また、40%弱の通常の細胞に付着が見られました。



最後に技術系でない論文を
Hoffman EM, Miller KE.
Peripheral inhibition of glutaminase reduces carrageenan-induced Fos expression in the superficial dorsal horn of the rat.
Neurosci Lett. 2010 Mar 26;472(3):157-60. Epub 2010 Feb 2.
まず、
Hoffman EM, Miller KE.
まず、カラゲナン上の末梢神経へのGLS阻害が誘導する後ろ足の膨潤の影響を調べました。足底へカラゲナンを注入し、後ろ足だけ膨潤することを示しました。次に、カラゲナン上の末梢神経へのGLS阻害が誘導するFos発現の影響を調べました。Fosを免染し、Fosを発現している核の数を数えました。この測定にCellProfilerを使っています。1報目の論文で、”modules”を組み合わせて"pipeline"をつくる、と書きましたが、この論文ではそのpipelineがtableの形で載っています。さて、この研究では、グルタミナーゼの末梢神経阻害がカラゲナンに誘導されるFos発現を減少させる、とのことですが、よくわかりません。どうも、カラゲナンは炎症を誘導するための剤のようで、Fosが末梢の炎症の指標のようです。グルタミナーゼは神経のミトコンドリアにあってグルタミンを加水分解する酵素であるので、炎症情報の生体内伝達が液性因子だけでなく神経に仲介された情報伝達によって行われることを示唆しているのではないでしょうか。abstには、グルタミナーゼが炎症を沈める治療の新しい標的になりうると書いてあります。




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by koretoki | 2010-05-15 12:31


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