したっぱ昆虫細胞研究者のメモ

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2010年 05月 15日

放射線おいしいです

Dadachova E, Bryan RA, Huang X, Moadel T, Schweitzer AD, Aisen P, Nosanchuk JD, Casadevall A.
Ionizing radiation changes the electronic properties of melanin and enhances the growth of melanized fungi.
PLoS One. 2007 May 23;2(5):e457.

チェルノブイリで放射線を食べる菌が見つかるとのことで、PLoS ONEを読んでみました。

メラニン色素は様々な環境負荷に耐える能力を生物に与えてきました。一方で、生物の色素は光エネルギーを電子エネルギーへと変換し、光合成の重要な役割を担っています。メラニン色素が可視光とUVを吸収できることから、著者らは電離放射線(電子、陽子、x線、中性子など)がメラニンの電子状態を変え、そしてメラニン化した微生物の発育を促進しているのではないかと考えました。

まず、3種の菌がもつメラニンをHPLCで解析しました。C.neoformansはTDCA, PTCAを、C.sphaerospermumはPDCA, PTCAを、W.dermatitidisはTDCA, PTCAを、それぞれ持っていました。それらのメラニンの電子スピンをESR(電子スピン共鳴法)で調べ、フリーラジカルがあること、また、電離放射線照射によってESR信号に大きな変化が出ることを示しました。

それから、メラニンの電子供与体としての性質を、NADHの酸化とフェリシアン化物の減少を指標として調べることにしました。実際に、電離放射線照射によって、C.neoformans由来のメラニンの電子供与体としての効果は14Gy/min 20分の暴露で3倍に、14Gy/min 40分の暴露によって4倍になっています。

電離放射線照射と菌の生育の相関を見た実験では、0.05mGy/hr照射によって菌の生育が2.5倍に上がったそうです。



いまひとつ腑に落ちないのが、NADH/フェリシアン化物の方法でメラニンの電子供与体としての性質を調べたときに14Gy/minの照射を行ったのに対して生育を見ようとする実験で0.05mGy/hrの照射で行っている点。メラニンが電離放射線のエネルギーを化学エネルギーに変換できるというのはとてもよく分かるのですが、ほんとにそれ食べられてるんでしょうか?0.05mGy/hrの照射でNADH/フェリシアン化物試験を行ったらどうなるんでしょう?1Gy以上被爆するとヒトが具合悪くなるらしいので(wikipedia)、0.05mGy/hrってもの凄く少ないですね。これって放射線ホルミシス?放射線ホルミシス効果検証プロジェクト


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by koretoki | 2010-05-15 04:33


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